ここでは Amanero を利用してるヘッドフォンアンプ Zishan U1 の ファームウェア更新について記述する。しかし、詳細の不明な Amanero コンパーチブル基板でも、基板を追っていけばアップデートを適用できると思われるので、その方法として残しておく。
(注)Zishan U1のアップデートは出来る(た)が、推奨もされていないしおすすめもしない。もともと正規品でないこともあり、公式配布ツールは自分のハードやソフト環境では使用できなかった。よって、非公式ツールにより書き込みを行った。一度でも下に記述するようなリセット操作をした場合、デバイスに書き込まれている情報が消去されるので、brick、いわゆる文鎮化(重しとしか使えない箱)するので注意してください。
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残念ながら、Zishan U1 におけるアップデートの詳細情報がない。
Amanero のコンパーチブルUSB-I2S変換基板(コピー基板)は多数存在するため、書き込みソフトの情報はある。しかし、書き込みを行うためには基板にアクセスする必要がある。そのため、はじめに Amanero 公式ページにある回路図から Zishan U1 の回路を追っていくことにした。
同公式トップページよりダウンロードした Combo384 USB Section (ファイル名USB_E.pdf)を見ると
ファームウェアアップデートzipファイル(oem_tool_xxx; xxx=ver. ここではoem_tool_117を使用した)を解凍したフォルダ内の
README.pdf 中で登場する P3 のヘッダーピンアウトを発見することができる。
この P3 は、P3_1(VCC_3.3V_USB)、P3_2(ERASE)、P3_3(GND)のポートで構成されることがわかる(ここで、それぞれP3の端子に P3_x と定義する)。
READMEの基板シルク印刷には数字が振られてはいないが、おそらくP3_2とP3_3、
つまり、CPU の ERASE端子 と GND をショートさせることによって、消去モードになるのだろうと考えられる。
もう少し詳しく知るために CPU のデータシートを見てみる。Amanero で使用されている CPU の型番は ATSAM3U1CA-AU である。
この型番で検索すると、Atmel-6430-32-bit-Cortex-M3-Microcontroller-SAM3U4-SAM3U2-SAM3U1_Datasheet.pdf がダウンロードできたので、
説明には、このデータシートを使うことにする(Atmel-6430G-ATARM-SAM3U-Series-Datasheet_31-Mar-15; 20150331版、ドキュメント情報はフッター参照のこと)。
CPUのピンアウトは、データシートから p.14 の 4.2.1 100-lead LQFP Package Outline に記述されている。
また、ERASE端子 は Table 4-3.より 43番目のピンであることがわかる。ERASE端子 を機能させるには、
p.26 の 6.7 ERASE Pin を読むと、この ERASE端子 を GND に落とすように書かれているので間違っていないようだ。
CPU上の基準点を示すへこみを左下において、そのへこみのすぐ下がピン番号1としてはじまり、右→上→左→下の順にピン番号を数えていく(反時計回り)。へこみの左がピン番号100で数え終わる。
実際の作業ではピン番号43を探し、その先を追っていき、スルーホールが開いてる箇所を探す。次に VCC_3.3V_USB や GND であるが、スルーホール近くにあるはず(基本隣接されている)。
VCC_3.3V_USB との違いはそのスルーホールの形から判断する。GND は基本ベタパターンだと思うので、そのスルーホールは広い面積を持っているだろう。
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以上の情報により Zishan U1 の基板を見た結果、以下の画像の青枠で囲ってある場所をショートさせればよいことがわかった。
図. Zishan U1 のリセットピン(青枠)
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Amanero 更新の基本的な手順
(MS Windows OS搭載の PC 必須)
1) フォルダの更新ツールを解凍する、例えばデスクトップ上に。
2) フラッシュの削除
画像注釈
左: 赤の接点は1秒以上ショートされると削除される.
右: フラッシュを削除するため USB ケーブルをさして、写真の P3 のパッドの両方を接触させる。そして、 USB ケーブルを抜き、デバイスをリセットするために再度プラグをさす。
3) 削除されたデバイスを再度さしたとき、Windows はドライバについて尋ねてくる。必要とされるドライバ情報ファイル atm6124_cdc.inf は解凍されたファイルにあります。
4) インターネットに接続されているか確かめてください。
5) ConfigTool.exe を実行し、 FLASH CPLD を押す。
6) 終了したとき、USBケーブルを抜き、再度さす。
7) 3-4秒間待ち、USBケーブルを抜き、再度さす。
8) FLASH CPU を押して、終了したらUSBケーブルを抜く。
9) USBケーブルを再度さし、すべてうまくいった場合、オーディオドライバはデバイスを検出するために必要です。
非公式ツールによる更新
使用ツール AmaneroLoader
配布先 http://forum.vegalab.ru/showthread.php?t=59043&page=43&p=2664922&viewfull=1#post2664922
使用方法
0.更新するデバイスをリセット後、PCに接続する。
1. デバイスマネージャーより接続したデバイスのポート(COMx)を確認する。
2. ダウンロードしたファイルを解凍して、run.bat を開き1.で調べた COMに書き換える 。
3.デバイスが対応するCPLDを調べ -i=xxxx.LOG を書き換え、run.bat を実行する。
4. 次に3と同様に CPUを書き込む。
* Zishan U1 の場合は CPLD_1080, DSD512x48x4
Ref. https://www.hkepc.com/forum/viewthread.php?tid=2597775
公式ツールによる更新(追加: Maybe modified official software. If you use this tool, the amenero devices can update newer firmware above description.)
https://drive.google.com/file/d/15KFVRrOatjb1CrFUDpOp12IkckLEsJx9/view?usp=sharing
https://www.head-fi.org/threads/zishan-u1-hifi-usb-dac-amp-thread.933685/page-11#post-16605943